今回の調査はせっ器質の小口タイルの調査を行ってきました。
築年数も経過しており、調査前にもタイルの剥落が確認しておりましたが、
やはり調査中にも何枚か剥落してしまいました。
タイルの浮きには何層かあるのはご存知でしょうか
『躯体と下地モルタルの浮き』
躯体と呼ばれるコンクリート構造に下地モルタルを塗りつけるのですが、この躯体と下地モルタルの間で浮きが発生しているもの。
『タイルと貼付けモルタルの浮き』
タイルを貼り付ける為にモルタルを塗り付けてタイルを貼りますが、このタイルとモルタルの間で浮きが発生しているもの。
他にも下地モルタルの層間で浮いているものだったりと、現地で調査をしていると様々です。
下記の写真の剥落は、タイルと貼付けモルタルの浮きが原因で剥落していますが、同じ場所で下地モルタルと躯体との間で浮いている場合もあります。
このような様ざまなタイルの変状に対処するためにも、まずは現状把握をしなければいけないという事で、マイクロスコープにて内部の様子を確認します。
タイルから約20㎜の位置でタイルの浮きを確認そして、55㎜の位置で更に浮きが発見されました。
タイルの厚み20㎜で下地モルタルが55㎜、構造体コンクリートに最低でも20㎜は呑み込み深さが必要であるので80㎜以上の穿孔が必要になってくる事が分かったわけです。
また、タイルの浮きが2層又は3層以上での浮きが発生している個所が混在していることも分かりましたので、後は改修方法の検討です。
この様な調査でタイルの変状箇所の特定及び状況確認により、
維持管理費の最小化 と 費用対効果の最大化 に必ず役立てられます。
先日、マンションの理事長様とお話をさせて頂きましたがお仕事がコンサル業務という事もあり調査費用は必ず還ってくると豪語して頂きました。
悶悶と思っていたことを言葉にして頂きとても驚きました。
適正な現状把握により必ず、適切な施設運営に役立てられると思います。
『何処よりも正確に、何よりも安全に』
最後まで長文有難うございました。